国際支援活動
国際救援活動
ウクライナ人道危機救援事業で職員を派遣(令和6年11月6日)
2022年2月24日以降、ウクライナ各地で激化した戦闘により、ウクライナ国内及び近隣諸国において人道危機が発生し、今日もなお戦闘は終息することなく、建物や住居、インフラを崩壊させ、多くの人びとの命や生活を奪っています。
避難先から故郷へ帰る人びとがいる一方、未だ多くの人びとがウクライナ西部および周辺国やその他の国々に避難するなど極めて深刻な人道危機が起こっており、心身の健康、居住場所、生計などの支援ニーズは引き続き膨大です。
日本赤十字社では、国際赤十字を通じた様々な支援を行っていますが、ウクライナ赤十字社によるリヴィウ州のリハビリテーションセンター拡充への支援を進めており、今般、道内から初めて、当院理学療法士を派遣することとなりました。
派遣にあたり栗山町長へ表敬訪問を行い、病院では出発式を開催しました。
病院長からの激励のあと、リハビリテーション課スタッフからは栗山の銘菓きびだんごで作った「きびだんごレイ」、事務部有志からは「お守り」が贈呈されました。
職員一同、必要とされている方に寄り添いながら任務を完遂し、無事帰院することを願っております。
派遣期間:令和6年11月10日〜同年12月7日(現地活動期間)
国際救援活動
絶え間なく起こる災害や紛争?それらは人々の尊い命や財産を一瞬にして奪い去ります。
栗山赤十字病院では、医療不足が深刻な国へ赴き、人々の苦痛を軽減し、病気を予防するための様々な活動を行っています。
紛争地域や災害地など、多くの被災者を生み出す国に対して、私達が出来ること・手伝えること・教えることを精一杯捧げ、一人でも多くの命を救い、一人でも多くの人の充実した生活を取り戻すため支援活動を行っています。
刻一刻と変化する国の状態は、決して安全といえるものではありません。
しかし、医療に携わる従事者として自分に出来ることを一人一人が考え、それを求めている人たちに平等に与えていくことは明るい未来へと繋がる力となるのです。
充実した医療制度の中、誰もが安心して暮らせる世の中になるまで、私達の努力や支援は尽きることがありません。
世界に住む子どもたちの、希望に満ちた輝かしい笑顔が溢れる、その日まで?。
体験者の声
平成25年4月より6か月間、南スーダンのマラカル市にある、ICRC(国際赤十字委員会)の支援するマラカル教育病院で、ICRCの外科チーム理学療法士として勤務してきました。
南スーダンは2年前にスーダンから分離独立したばかりの、世界で一番若い国です。国の基盤が弱く、医療、教育、インフラなど、全てにおいて整っていないだけではなく、地域によっては武力を用いた争いが継続しているため、海外から多くの支援団体が入り国の運営を助けています。
その中でICRCは医療、水の供給のほか、難民キャンプの整備、刑務所の訪問など多彩なプロジェクトを実施しており、私も一員として、様々な職種のスタッフと一緒に活動してきました。
実際の業務内容は、患者様への理学療法の提供、現地スタッフの指導、義肢装具センターとの業務調整など、文字で書くと日本での仕事とさほど変わらないのですが、レントゲン写真撮影ができない中での骨折管理や、水のない環境下での衛生管理など、日本とは違った難しさがありました。また、銃創やカバによる咬傷など日本ではまず目にしない患者様もみえるので、一つ一つが勉強になりました。
日中50度近くなる気温や濾過してもなお茶色い水など、日本とは違う環境で良いコンディションを保つのも難しかったのですが、その中でもたくましく生きている南スーダンの人々が未来を自分たちの力で創っていけるように、日々考えながら活動していました。 これからも自分にできる支援のかたちを見つけて、南スーダンの人々の力になっていきたいと思います。
リハビリテーション課 理学療法技術係長 鈴木 聡子